お役立ちコラム
和菓子メーカーが海外進出で成功するために知っておきたいこと|台湾・アジア百貨店 実践ガイド
和菓子メーカーが海外進出を考えたとき、最初に頭をよぎるのは不安かもしれません。
言語の壁、規制の違い、輸送の問題。
確かにハードルはあります。
ただ、私たちが30年以上にわたって現場で見てきた実感として、台湾をはじめとするアジアには日本の和菓子を求めているお客様が確実にいます。
この記事では、そのためにどう動けばいいかを、できるだけ具体的にお伝えします。
台湾・アジアで、和菓子が「特別なもの」として求められている理由
「日本らしさ」がそのまま価値になる市場
台湾をはじめとするアジア各国では、日本の食文化に対する関心が根強く続いています。
なかでも和菓子は、「日本らしさ」を凝縮した存在として、現地の消費者から特別な目で見られています。
抹茶・あんこ・餅といった素材は、すでに台湾でも広く知られています。
「どこかで見たことがある」という親しみと、「本物の日本のものを食べてみたい」という好奇心が共存している。
これが台湾市場の特徴です。
国内では「定番すぎて特別感がない」と感じているメーカーさんでも、台湾の百貨店に商品を並べると、その見え方が一変することがあります。
日本にいるとあたりまえすぎて気づけないものが、海を渡ることで価値として見えてくる。
そういう瞬間を、私たちはこれまで何度も経験してきました。
なぜ百貨店催事が和菓子に向いているのか
海外展開の方法にはさまざまな選択肢があります。
なかでも和菓子メーカーにとって、百貨店催事は特に相性のいい販路です。
その理由は3つあります。
- 百貨店という場の「信頼感」が、初めて見る商品への安心感につながる
- 期間限定の催事形式なら、常設店舗を構えるよりはるかに低いリスクで現地の反応を確かめられる
- 和菓子は試食との相性が非常によく、食べてもらうことで購買につながりやすい
台湾の消費者は試食に積極的で、気に入ればその場でまとめ買いをするケースも珍しくありません。
催事の場は、「体験から購買へ」の流れを自然に生み出すことができます。
和菓子メーカーが海外進出で最初にぶつかる3つの壁
① 原材料・添加物の規制(国ごとに異なる基準への対応)
海外進出を検討するとき、多くのメーカーが最初に戸惑うのが食品規制の問題です。
台湾では日本とは異なる添加物の基準が設けられており、日本国内で問題なく販売されている商品が、そのままでは輸出できないケースがあります。
確認が必要な主なポイントは以下の通りです。
- 使用添加物が台湾の認可リストに含まれているか
- 成分表示の記載方法が現地ルールに沿っているか
- 原材料の一部変更が必要になる可能性があるか
ただし、これは越えられない壁ではありません。
事前に確認すべき項目を把握しておけば、想定外のトラブルを大幅に減らすことができます。
私たちはこれまで多くのメーカーとともにこのプロセスを歩んできましたので、初めての方でも安心して進められるようサポートしています。
② 賞味期限と輸送品質の問題
和菓子のもうひとつの課題が、輸送中の品質維持と賞味期限です。
日本から台湾までの輸送日数を考慮すると、国内向けと同じ賞味期限設定では現地での販売期間が十分に確保できないケースもあります。
海外催事に向いている商品の条件をまとめると、次のようになります。
- 個包装で密封性が高いもの
- 常温保存が可能なもの
- 賞味期限が比較的長いもの
既存商品をそのまま持っていくのではなく、「どの商品が海外向けに適しているか」を事前に整理することが、出店成功への近道です。
③ 「誰に、何を売るか」というターゲット設計の難しさ
規制や物流の課題と同じくらい重要で、かつ見落とされがちなのが「誰に売るか」というターゲットの設計です。
台湾の百貨店に来るお客様と、市場に来るお客様では購買行動がまったく異なります。
ギフト需要なのか自分用なのかによっても、響く訴求が変わってきます。
「日本の和菓子だから売れる」という期待だけで出店すると、想定より反応が薄かったという結果になりかねない。
どのような場面で、どのようなお客様に届けたいのかをあらかじめ言語化しておくことが、現地での販売戦略を組み立てる上での土台になります。
台湾の百貨店催事から始める、和菓子海外進出のステップ
ステップ1|商品の絞り込みと市場リサーチ
まず取り組むべきは、海外催事に持っていく商品の絞り込みです。
手持ちの商品すべてを持っていくのではなく、以下の視点で選別します。
- 輸送に耐えられる商品か
- 現地の規制をクリアできる商品か
- ギフト需要に応えられる商品か
この段階から、私たちに声をかけていただくことが多いです。
台湾の現地事情を長年にわたって見てきましたので、「この商品は台湾で受け入れられやすい」「こちらは少し説明が必要」といった肌感覚をもとにアドバイスができます。
商品選定の段階でご相談いただくことで、出店後の結果が変わることがあります。
ステップ2|出店打診から準備までの流れ
商品の方向性が定まったら、次は出店先の百貨店への打診です。
台湾の百貨店は催事の企画を年間スケジュールで管理しており、出店枠には限りがあります。
初めて出店するメーカーが自力でバイヤーとコンタクトを取るのは容易ではありません。
ここが、多くの方がつまずくポイントです。
東西食品は台湾新光三越・漢神百貨店をはじめとするアジアの主要百貨店と20年以上の取引実績があります。
このネットワークを活用することで、初めての出店でもスムーズに打診から準備へと進むことができます。
サポートの範囲は以下の通りです。
- 百貨店バイヤーとの交渉
- ブース設営の手配
- 現地販売スタッフの確保
- 現地マーケティングの立案
担当者が現地語を話せなくても、問題ありません。
ステップ3|現地での販売と「反応の収集」が最大の資産になる
催事当日の販売活動と同じくらい大切なのが、現地での「反応の収集」です。
- どの商品がよく売れたか
- どのような客層が手を伸ばしたか
- どんな質問が多かったか
こうした情報は、次の出店をより良くするための貴重なデータになります。
1回の催事で得られる学びは非常に多く、国内のマーケティングリサーチでは決して得られないリアルな声が集まります。
私たちは現地スタッフの手配から当日の運営まで一緒に動きますので、メーカーの担当者は「売ること」と「見ること」に集中していただけます。
「どのステップから動けばいいかわからない」というご相談が、一番多く届きます。
商品選定の段階でも、出店先の打診でも、まずは現状をお聞かせください。
台湾の百貨店バイヤーが、和菓子を「選ぶ」基準
「日本で人気」は、出発点にすぎない。バイヤーが最初に見るポイント
台湾の百貨店バイヤーは、日本のトレンドや受賞歴を参考にします。
ただし、それだけで出店枠を決めることはありません。
彼らが最初に確認するのは、次の3点です。
- この商品は台湾の売り場で映えるか
- お客様に説明なしで伝わるか
- ギフトとして成立するか
日本国内でどれだけ知名度があっても、台湾のお客様にとって初めて見る商品であることに変わりはない。
バイヤーはその前提で判断しています。
逆に言えば、国内では無名に近いメーカーでも、商品のビジュアルや素材のわかりやすさ、パッケージのギフト感が優れていれば選ばれる可能性は十分あります。
「商品が台湾の感性に合っていた」という理由でバイヤーの目に留まるケースを、これまで何度も目にしてきました。
試食・実演・個包装。台湾の売り場で支持される和菓子の共通点
20年以上、台湾の百貨店催事の現場を見てきた中で、支持を集める和菓子にはいくつかの共通点があります。
まず、試食との相性です。
台湾の消費者は試食にとても積極的で、口に入れた瞬間の反応がそのまま購買につながります。
試食を取り入れた催事では、そうでない場合と比べて売上に明らかな差が出ます。
次に、実演販売の効果です。
目の前で作る工程を見せることで、商品への興味が一気に高まります。
榮太樓総本店の台湾催事でも、現地のお客様が商品の前に長い列を作り、実演の場面に引き寄せられる様子が印象的でした。
そして、個包装です。
台湾ではお土産・ギフト需要が非常に強く、「箱に入っている」「個別に包まれている」商品のほうが購買単価が上がりやすい傾向があります。
バイヤーが出店可否を判断する際に見るポイントのひとつでもあります。
和菓子メーカーが海外進出を長く続けるための心構え
「売れるかどうか」は行ってみないとわからない、だから試せる形で始める
海外進出を検討しているメーカーからよく聞く言葉があります。
「うちの商品が台湾で売れるかどうかわからないから、踏み出せない」というものです。
この気持ちはよくわかります。
ただ、正直に言うと、行ってみないとわからないのは私たちも同じです。
どれだけ事前にリサーチをしても、実際に現地のお客様の反応を見るまでは確信は持てません。
だからこそ、「大きく賭ける」のではなく「試せる規模から始める」ことが重要です。
百貨店催事はそのための最適な場で、1回の出店で多くを学び、次に活かすサイクルを回すことができます。
ポムダムールは台湾の新光三越日本商品展で過去最高の売上を記録し、1時間以上の行列ができるほどの人気を博しました。
その結果は、最初の一歩を踏み出したことから始まっています。
1回の催事で判断しないこと。続けることで見えてくるもの
初回の催事がうまくいかなかったからといって、すぐに「海外は難しい」と結論づけるのは早計です。
1回目は、売上以上に「学び」を得る場と考えてください。
- どの商品が反応を得たか
- どのお客様層が立ち止まったか
- どんな質問が多かったか
こうした現地の声を持ち帰り、次の出店に活かすことで、2回目・3回目と結果が変わっていきます。
これまで200件以上の催事をサポートしてきた中で感じるのは、続けることで見えてくるものの大きさです。
初回は様子見で来たバイヤーが、2回目に「常設販売の話をしたい」と声をかけてくることもあります。
海外展開は、1回の勝負ではなく、続けることで積み上がっていくものです。
まとめ
和菓子の海外進出は、大きな資本や特別なコネクションがなければできない話ではありません。
正しい順番で、適切なパートナーとともに動けば、小規模なメーカーでも台湾の百貨店で自分たちの商品を並べることができます。
大切なのは「完璧な準備が整ってから」ではなく、「動きながら学んでいく」という姿勢です。
現地の反応を実際に見て、商品を磨き、販売の仕方を工夫していく。
そのプロセス自体が、国内では得られない貴重な資産になります。
まずは「自分たちの商品を台湾に持っていったらどうなるか」を、気軽に話してみるところから始めてみてください。
東西食品は、その「最初の話し相手」になることを大切にしています。
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東西食品は、想いのこもった商品を持つメーカーさんの「最初の一歩」を一緒に踏み出すことを大切にしています。
和菓子の海外展開について、まずはお気軽にご相談ください。
費用のご相談も含め、無料でお話を聞かせていただきます。