お役立ちコラム
地方特産品の新しい販路を海外に求めるには?台湾・アジア百貨店 催事への展開事例と進め方
地方の産品には、地元では「あたりまえすぎて」価値が見えにくいものがある。
でも海外の百貨店催事に持っていくと、その商品の前に行列ができることがあります。
30年以上、そういう瞬間を一緒に経験してきた私たちだからこそ、地方特産品の新しい販路について正直にお伝えできることがあります。
国内の販路が「構造的に厳しくなっている」現実
地方特産品が直面している流通・競争の変化
「もっと売れる場所があるはずだ」と感じながら、なかなか次の一手が見つからない。
地方特産品を扱うメーカーや自治体の担当者から、そういう声をよく聞きます。
実際、国内の流通環境は構造的に厳しくなっています。
大手量販店のPB商品が棚を占め、ECでは価格競争が激しくなり、地方特産品が目立てる場所は年々減っています。
「良いものを作っているのに、届けられていない」という状況に陥りやすい。
販路の多様化は必要です。
しかしその「多様化」の選択肢として、海外がまだ視野に入っていないケースが多いのが実情です。
それでも「売れ続けている」産品に共通していること
国内外で安定して売れ続けている地方特産品があります。
その共通点を一言で言うと、「場所を選んでいる」ということです。
すべての販路で勝負しようとするのではなく、自分たちの商品が最も輝ける場所を見つけている。
百貨店の催事で根強いファンをつかんでいるメーカーは、まさにそのアプローチを取っています。
そして、その「場所」として台湾をはじめとするアジアの百貨店が機能するケースが、私たちの経験では非常に多い。
その理由を、次のセクションで詳しくお伝えします。
海外・特にアジアの百貨店市場が地方特産品に向いている理由
「日本の地方もの」という希少性が、そのまま武器になる
台湾の消費者にとって、日本の地方特産品は「珍しいもの」です。
国内では「どこにでもある」商品でも、台湾の百貨店に並ぶだけで「日本のどこかから来た特別なもの」という文脈が生まれます。
日本の地方ブランドへの関心は、台湾では根強いです。
「北海道」「京都」「九州」といった地名がそれだけで購買動機になるケースもあります。
地方の特産品であることが、そのまま希少性と価値につながる。国内でも地域名がブランドになる昨今、海外であればなおのことです。
地域の農産物加工品、伝統工芸品、郷土菓子。
「ローカルすぎて全国展開が難しい」と思っていた商品が、台湾では「日本のどこかにしかない特別なもの」として受け入れられることがあります。
百貨店催事という「テストできる販路」の存在
海外展開と聞くと、大がかりな準備が必要に感じるかもしれません。
しかし、百貨店催事は違います。
催事という形式の最大のメリットは、「試せること」です。
- 固定費をかけずに現地の反応を確かめられる
- 常設店舗や代理店契約の前に、小さく始められる
- 1回の出店で、次のステップに必要な情報が集まる
「まず試してみる」ための場として、百貨店催事はこれ以上ない選択肢です。
地方特産品メーカーにとって、リスクを抑えながら海外市場の感触をつかめる、数少ない手段のひとつです。
地方特産品が海外で販路を開くための具体的なステップ
ステップ1|「見せること」から始める。売るより先にやるべきこと
海外展開の最初のステップは、「売ること」ではなく「見せること」です。
現地のお客様に商品を手に取ってもらい、反応を見ることが最初の目的です。
初回の催事で大きな売上を目指すより、「この商品は台湾で通用するか」を確かめることに集中してください。
そのためには、まず商品の見せ方を整える必要があります。
- パッケージに日本語しか書かれていないと、現地で伝わりにくい
- 商品の背景にあるストーリーを、シンプルな言葉で伝える準備をする
- 試食できる状態にしておくことで、反応の精度が上がる
「見せるための準備」を丁寧に行うことが、2回目以降につながる出店の基盤になります。
ステップ2|催事に出て初めてわかること、出ないと一生わからないこと
催事に出ることで初めてわかることがあります。
- どのお客様が足を止めるか
- 試食してどんな反応が返ってくるか
- 何を聞かれるか、何に戸惑うか
これらは、どれだけ国内でリサーチをしても得られません。
現地に行って、実際に売ってみることでしか見えてこない情報です。
逆に言えば、出店しない限り、この情報は永遠に手に入りません。
「失敗するかもしれない」という不安より、「行かなければわからないままになる」という事実のほうが大きいと、私たちは思っています。
ステップ3|自治体・メーカー担当者が知っておくべき準備とコスト感
実際に出店するとなると、気になるのは費用と準備の範囲です。
出店にかかるコストは、百貨店や出店期間、サポートの内容によって異なります。
まずは無料相談の場で現状をお聞きし、個別にお見積もりをお出しします。
準備として最低限おさえておくべきことは以下の通りです。
- 商品の輸出可否の確認(添加物・成分表示)
- 現地語(繁体字中国語)対応のPOPや説明資料の用意
- 賞味期限・輸送方法の確認
これらは私たちと一緒に整理することができます。
地方自治体の担当者の方がはじめて海外展開を検討する場合でも、ゼロから一緒に考えますので、安心してご相談ください。
「うちの産品が海外で売れるかどうかわからない」という不安は、現地に持っていってみることでしか答えが出ません。
そのための最初の相談窓口として、東西食品をご活用ください。
海外の百貨店バイヤーが、地方特産品に求めていること
「日本の地方もの」というだけでは選ばれない。バイヤーが最初に見るポイント
「日本の地方特産品」というだけで選んでもらえるかというと、そうではありません。
台湾の百貨店バイヤーは、毎年多くの日本のメーカーと接しています。
「日本から来た商品」というだけでは、もはや差別化になりません。
バイヤーが最初に確認するのは、次の点です。
- 売り場で見たときに、何の商品かすぐわかるか
- 現地のお客様が自分のために、あるいはギフトとして買いたいと思えるか
- 値ごろ感と品質のバランスが現地市場に合っているか
「良いものだから売れる」ではなく、「この売り場で、このお客様に、なぜこの商品が刺さるのか」を言語化できているかどうか。
バイヤーはそこを見ています。
担当者が現地に来ることを、バイヤーは重視している
これは少し意外に思われるかもしれませんが、台湾のバイヤーは「担当者が現地に来るかどうか」を重視する傾向があります。
日本からの出荷だけで催事を回そうとするケースもありますが、バイヤーの信頼を得るためには、担当者が現地に立つことが大きな意味を持ちます。
「この商品を売りたい」という熱量が、直接伝わるからです。
また、現地で実際に販売に立ち会うことで、お客様の反応をリアルタイムで見られます。
それが次の出店をより良くするための一番の情報源になります。
東西食品では現地スタッフもサポートしますが、できれば初回は担当者にも足を運んでいただくことをお勧めしています。
地方特産品の海外販路開拓で注意したいポイント
「売れやすいもの」と「長く愛されるもの」は違う
海外催事に出展するとき、「とにかく売れるものを持っていけばいい」と考えてしまいがちです。
しかし、「1回売れた」と「長く愛される」は別の話です。
目先の販売数を上げるために、本来の商品の良さを曲げてしまうと、長続きしません。
大切なのは、自分たちの商品の本質的な価値を変えずに、現地に合わせた「見せ方」を工夫することです。
地方特産品には、その土地の気候・文化・作り手の思いが詰まっています。
それ自体が価値です。
それをどう伝えるかを考えることが、長く愛される海外展開の起点になります。
1回の催事で終わらせないための、次へつながる動き方
1回の催事で完結させることは、もったいないです。
初回で得た情報をもとに、次の出店に向けて具体的なアクションを取ることが重要です。
- 売れた商品・売れなかった商品の分析
- バイヤーや現地スタッフからのフィードバックの整理
- 次回に向けた商品ラインナップや見せ方の調整
これらを一つひとつ積み上げることで、2回目・3回目の催事が明らかに変わります。
私たちは200件以上の催事をサポートしてきた中で、続けることの大切さを繰り返し実感してきました。
1回で判断せず、まずは動き始めることが最も重要です。
まとめ
地方特産品の海外展開は、特別なコネクションや大きな予算がなくても始められます。
大切なのは、「正しい場所」で「正しい見せ方」をすることです。
台湾をはじめとするアジアの百貨店催事は、まさにその「正しい場所」になり得ます。
地方でしか作れないものが、海を渡って誰かの手に届く。
そういう瞬間のために、私たちは30年以上この仕事を続けてきました。
地元では「あたりまえ」の商品が、台湾のお客様にとっては「特別なもの」になることがある。
それを信じて、まず一歩踏み出してみてください。