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台湾の百貨店で開かれる日本展で成功する方法。メリットからリピート販促まで紹介。

台湾の百貨店で定期開催される「日本展」は、⽇本の味や雑貨を“現地に居ながら体験できる”場として定着しています。
台湾大手百貨店の新光三越百貨店では、秋の週年慶シーズンに全台湾を巡回する大型ツアー形式を採用。
2024年は9月26日〜翌1月5日 の約100⽇間で7店舗を回り、延べ200万人以上を動員しました。
2025年版の詳細日程は(7 月現在)公式発表前ですが、同社広報は「例年と同様、9月末〜12月にかけて順次開催予定」と予告しています。
さらに、2025年6月には台南新天地店で 「夏祭 日本商品展」も実施され、年間を通じて日本コンテンツへの関心が途切れません。
こうしたトレンドを把握し、百貨店という信頼性の高いチャネルを活用することが、台湾市場攻略の近道になります。

台湾百貨店「日本展」とは。催事規模と最新トレンド

新光三越百貨店開催の日本展は、台北から高雄まで毎年各主要都市店舗で開かれ、台湾最大級の日本関連イベントです。

規模・時期・来場客層を把握することで、商品の適正や勝ち筋が見えてきます。

なぜ台湾で「日本展」が年々拡大するのか

台湾では訪日経験者が人口の約3割。「日本=高品質」のイメージが確立し、現地で日本体験を求める需要が拡大しました。
年間で1番集客のある週年慶(周年セール)という時期と重なるこの期間では高額購入が集中し、購買意欲も高まります。

主要会場:新光三越百貨店・漢神百貨ほか開催実績

  • 新光三越〈2024 日本商品展〉巡回日程
    • 台北南西店 9/26 – 10/8
    • 台中中港店 10/10 – 10/23
    • 信義新天地A11 10/17 – 11/5
    • 嘉義垂楊店 10/17 – 10/27
    • 台南新天地 11/7 – 11/24
    • 高雄左営店 11/26 – 12/8
    • 台南中山店 12/27 – 翌1/5
  • 漢神巨蛋〈日本物產展〉2024年実績
    • 高雄市 11/6 – 11/18(週年慶と同時開催)

新光三越は半年先まで枠が埋まる人気催事。
初出展の場合、開催6〜8か月前には申込が締切られるためスケジュール管理が必須です。

出展で得られる3つのメリット

日本展は富裕層・訪日経験者に短期集中で接触できる高効率チャネルです。
さらに越境ECや国内PRにも波及効果が及び、単発イベントを継続売上へ転換できます。

富裕層&訪日経験者に一気にリーチできる

百貨店来場者の客層は幅広く特に週末は老若男女問わず友人同士や家族で来店して楽しむという娯楽文化も定着しています。
日本で購入した味を再現したいリピーター需要が強く、まとめ買い・ギフト購入で客単価が上がります。

越境EC・インバウンド販促のテストマーケ

会場で取得したLINEやInstagramフォロワーを越境ECに誘導し、帰国後のリピート購入を促進する企業が増加。
催事後EC売り上げやHP検索が大幅に伸びた例もあります。

「百貨店お墨付き」が国内PRにも効く

台湾百貨店バイヤーから選ばれて出展した実績は、日本のメディアリリースや商談で強力な実績となります。逆輸入的な引き合いが増え、国内卸先の開拓にも寄与します。

年間スケジュールと申込タイムライン

台湾の日本展は年に複数回開催されますが、特に秋の週年慶時期の催事は出展枠の競争が激しく、申込タイミングを逃すと翌年まで待つ必要があります。
ここでは、募集の時期感と出展までの流れを押さえておきましょう。

開催月早見表と募集開始の目安

2024年の新光三越〈日本商品展〉は、9月下旬から翌年1月上旬まで、台湾各主要都市で開催されました。
これらは「週年慶(周年セール)」に合わせた大型催事であり、最も集客が見込める時期といえます。

主な開催月(2024年実績)

  • 台北・南西店:9月下旬
  • 台中・中港店:10月上旬〜中旬
  • 台北・信義店:10月中旬
  • 台南・新天地:11月中旬
  • 高雄・左営店:11月下旬〜12月初旬

この秋ツアーへの出展申込は開催の半年前に締切られるのが一般的です。
例えば、9月開催の店舗に出展する場合、3月頃からオファーが入り4月に出展確定、5月には輸出書類の提出が必要になるケースが多く見られます。

応募〜搬入まで:6か月前から当日までのロードマップ

以下は、新光三越の秋催事に初出展する場合の一般的な流れです。実務対応の見通しを立てる際の参考にしてください。

時期内容
6か月前(3月〜4月)出展オファー、初回ヒアリング、商品選定
5か月前出展申し込み書・商品スペック提出、審査
4か月前出展確定・契約、物流ルートと納品計画策定、パッケージ・成分表・ラベル表示の翻訳と確認、
3か月前プロモーション素材提出
1〜2か月前台湾側で告知スタート、ブース設計・什器調整、商品の台湾現地到着・通関・検品
開催前日〜当日会場搬入・陳列、スタッフレクチャー
開催期間中売上管理、SNS更新、在庫調整
終了後1週間以内売上報告、返送準備

催事を「商談の場」として活かすには、2〜3か月前の段階から販促戦略を動かしておく必要があります。

出展コストと収益モデルを数字でシミュレーション

台湾での出展は「準備型ビジネス」です。
必要経費と期待売上のシミュレーションを行い、採算ラインを明確にしてから検討しましょう。
ここでは実際の相場感とモデルケースを紹介します。

ブース料・物流・人件費の相場

出展費用は商品ジャンルやブース規模によって幅がありますが、一般的な食品カテゴリの場合、以下のようなコストがかかります。

項目相場(目安)
ブース使用料約10万〜20万円/1会場(1小間・2~3週間)
什器・装飾レンタル約5万円~30万円(レンタル機材によるので事前に確認しましょう)
商品輸送費(日本→台湾)常温便で40円~80円/kg(混載便の場合)航空便で400円~600円/(時期や数量により変化)
通関・検査費用3万〜5万円(検査内容による)
スタッフ派遣・人件費自社スタッフ帯同の場合10万〜20万円/人(渡航費、滞在費)
販売手数料(売上の一部)15〜30%(百貨店や代理商により異なる)
関税、営業税  関税//インボイス価格の10%~30%
営業税(消費税)5%(2025年現在)

これらを合算すると、1会場につきおおよそ30万〜50万円の初期投資が必要です。複数会場に出展する場合は、物流と人件費が効率化されるぶん、1会場あたりのコストはやや下がります。

和菓子メーカーの場合:投資80万円→月商300万円の内訳

和菓子メーカーが3会場へ出展した場合の、売り上げシミュレーションを見てみましょう。
その収益内訳は以下の通りです。

費目内容金額
費用合計ブース料・物流・通関・人件費(3会場分)約80万円
総売上各会場で約100万円 × 3会場約300万円
販売手数料百貨店手数料 約25%約75万円
粗利益売上 – 手数料 – コスト約145万円

※上記はあくまで一例であり、カテゴリや商品単価により異なります。

商品単価が500〜1,000円前後の場合、現地消費者の「まとめ買い」や「贈答ニーズ」が売上を底上げする鍵となります。

このモデルを参考に、自社商品での損益シミュレーションを行えば、出展判断がより現実的になります。

失敗しない商品・販促の作り方

台湾百貨店での日本展は「ただ良いものを持っていけば売れる」場ではありません。
現地の消費者心理と購買行動にフィットさせる「見せ方・伝え方」が鍵になります。

台湾バイヤーが重視する「映え」とストーリー

台湾では「目で楽しむ文化」が強く、商品そのものの魅力に加え、パッケージデザイン商品に込められた背景ストーリーが重視されます。
たとえば、同じ「お味噌」でも、

  • 醸造年数がわかるラベル
  • 先代から続く製法の写真入りPOP
  • 地元の風景と職人の手仕事を紹介したパネル

などを添えることで、「日本の伝統と技」を体感できるコンテンツとして評価されます。
特に20〜40代の女性層は「自分が買った商品がどんな人に作られたのか」を重視する傾向があり、「映え」と「物語」の両立が売上を上げる分かれ道になります。

試食・SNSライブで行列を作る現場施策

現地での販売では試食提供の有無が成約率に直結します。台湾の催事文化では「食べて納得してから買う」傾向が強く、

  • 食べ方の提案(ごはん・パン・お茶漬けなど)
  • 温めて香りを引き出す演出
  • 調味料なら豆腐・ゆで野菜への応用試食

といった提案が重要です。
さらに、SNSライブ配信との連携も効果的です。
インフルエンサーや現地スタッフがライブ中継で「これは◯◯県の伝統商品で…」と紹介すると、リアルタイムで来場者が集まり、購入意欲を刺激できます。
SNSフォロワー獲得 → ECへの誘導まで設計しておくと、催事後の収益にもつながります。

出展後フォローアップとリピート販促イベントを継続売上へ

催事は「売って終わり」ではなく、「また買いたい」につなげる導線が重要です。
SNS・EC・データ分析を組み合わせ、イベント後のリピート獲得につなげていきましょう。

越境EC・SNSでリピート購入を生む導線設計

多くの出展社がLINE公式アカウントやInstagramを活用し、会場で接触したお客様をECサイトへ誘導しています。
たとえば、

  • 試食時にQRコードでLINE友だち登録
  • 会期中のライブ配信をアーカイブ保存しECで紹介
  • 「次回購入時に使える台湾限定割引クーポン」などの配布

といった取り組みで、催事終了後も継続的に接点を保ちます。
台湾では日本商品の定期購入ニーズも高いため、定期配送プランやギフト提案との親和性も高いです。

実売データの分析と次年度改善プラン

出展中に得た販売実績・客層・反応は、次回以降の戦略立案において非常に貴重な資産となります。

  • 時間帯別売上・曜日別売上の傾向
  • 一番売れた商品と、売れなかった商品の理由
  • 売上とSNSフォロワーの相関

これらを分析することで、「次はこう売るべき」「販促をこう変えよう」といった具体的な改善が見えてきます。
また、現地バイヤーやスタッフからのフィードバックも必ず記録しておきましょう。
再出展時に「過去出展経験あり」と示せることは、信頼の証となり、条件交渉にも有利に働きます。

まとめ

出展には一定の準備と初期コストが必要ですが、正しい戦略で臨めば、海外販路開拓の第一歩として非常に高い費用対効果が得られます。「自社の味やものづくりを、海外でもっと届けたい」。
そう思った瞬間が、挑戦のタイミングです。

有限会社東西食品では、台湾百貨店への出展サポートの実績が豊富にあります。
まずはお気軽にご相談ください。

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